あくびクラブ

気の向くまま出来事や思ったことを記録します。

お彼岸 香を焚いて写経する

私は、毎夜、香を焚き、お経を読み上げ、一日の出来事や感謝の言葉を、両親・お釈迦さま・氏神さまに報告しております。読経するのは「般若心経」が多く、余裕のあるときは「観音経(の世尊偈)」も読みます。嫌なことがあっても何となく救われた気になるから不思議です。

ところで、今日は、お彼岸の最終日*1と言うこともあり、久しぶりに写経をしてみました。

写経は真心を込めて一字一字できるだけ丁寧に書くことが大切と言われます。ですので、字の上手下手は余り関係ありません。とは言え、小さな文字を沢山書きますから、集中力・忍耐力は必要です。逆に、集中力・忍耐力を養うことが出来るとも考えられます。

今回、般若心経を写経しました。約260文字。筆では書かず、サインペン*2を利用し、かつ、なぞり書きをしました。写経の本を見ますと「例え一文字ずつでも」と書いてありましたが、それでは、私の場合いつ終わるか分からないので、全部写しました。

私は、書道をするとき、仏書を読むときなどは、お香を焚きます。気分がリフレッシュし、集中できるような気がするからです。お香の種類は、普段は、妙心寺さんから取り寄せた普通の線香「妙心」を使いますが、

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時にはアロマお香というのでしょうか良い香りのするものを使ったりもします。いろいろ試してみるのも面白いです。

お香と言えば思い出すのが、幸田露伴の『洗心録』に書かれた一文です。名文と思いますので、鎌田茂雄先生の『正法眼蔵随聞記講話』から引用します。

富むとも書は束(つか)ねて置くべからず、貧しくば読みて後、売るもよからむ。佳き書は売らるるとも復(また)人に購(あがな)はれ読まるべければ、固(もと)より著者の本願ならんと、悪しき書は物の下貼りともなり果てて業滅(ごうめつ)のあかつきの却(かえ)って涼しかるべし。書を売りて沈*3(じん)に代え、沈を焚いて未読の書を読むべし。沈を焚いて読むに値せぬ書は読までも有りなんかし。人の命の沈より貴からぬかは。窓外(そうがい)雪静かにして鐘の音澱(よど)み、小室清らに虚(むな)しゅうして灯火(ともしび)寒きが下に、ただ一巻の書に対(むか)ひたらんこそ心ゆく事なれ。

この一文、小気味よく、現代文にない力強さがあって、行き詰まった時とかに読むとチカラがもらえます。また冬に読むとジンワリくるものもあります。

また、本をため込むな*4とかはともかく、香を焚いて書を読むとか、昔の知識人は風流だなと思いました。

私が粋人*5ぶって、香を焚いて書道をしたり仏書を読んだりするのは、この文章に影響を受けたからです。

さて、夜も更けてきました。香を焚き、歎異抄の解説本を数ページ読んでから寝ることにします。

おっと、その前に、マックに急行*6だ!

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*1:2023年のお彼岸日程。

  9月20日(水)…秋彼岸入り(初日) 
  9月23日(土・祝) …中日(秋分の日)
  9月26日(火)…秋彼岸明け(最終日)

*2:慣れるまでは筆より筆ペンよりサインペンの方が取り組みやすいと思います。

*3:沈香の略。お香のこと。

*4:積ん読の帝王たる私には耳が痛い。

*5:すいじん:風流を好む人。優雅な、趣味の豊かな人。『デジタル大辞泉』。私は優雅でも何でもありません。

*6:チーズバーガーとホッとカフェラテ仕入れる。